埼玉の偉人は王子に

 皆様お元気ですか?秋も深まり寒くなりました。もうすぐ紅葉の盛りですね。紅葉狩りなんていいですね。ですが寒いのでお体お気をつけてください。

 今年の春は、何年かぶりのお花見に、王子へ行きました。浦和からすぐの王子は、見所も多く、中でも、飛鳥山にある【飛鳥山3つの博物館】は楽しく、また驚きも多い場所です。

 共通券を求め、最初は紙の博物館へ。紙と言っても目が疲れない様に黄色がかった教科書の紙や、トイレットペーパーに至るまで多種多様で、「なるほど、これはすごいな!」と、普段何げなく使っている紙も、数の多さとその技術に驚きます。

 次は北区飛鳥山博物館へ。現代的な館内を進むと、再現された奈良時代の倉に、人形が仕事を現して音声解説もあり、一目で頭に入ります。「わっ、豪華だな!」っと、江戸時代の展示は、飛鳥山の花見に持参した花見弁当や、将軍の休憩所だった金輪寺御座所の再現、荒川の生態系などが展示され見ごたえ十分。「面白い!これはすごいな。」静かな雰囲気と解説の面白さに、時間を忘れてゆっくり見学いたしました。

 そして埼玉の偉人、いや日本の偉人、日本経済社会の基礎を作った渋沢 栄一の資料館へ。

「すいぶん現代的な資料館だな。」

と館内へ。渋沢 栄一の生い立ちや偉大な業績が紹介されています。

埼玉の誇、渋沢 栄一翁は今から一七七年前の江戸時代後期に深谷市血洗島の豪農の長男として生まれました。 幼い頃より父親から学問を受け、従兄弟から論語などを学んだそうです。当時の尊王攘夷の思想に傾き京都に向かう途中で、一橋 慶喜に仕える事となります。その後も十五代将軍となった徳川 慶喜公に使えますが慶喜公の弟・徳川 昭武に随行し、パリ万国博覧会に参ります。欧州諸国を見聞し、先進諸国の社会の内情に広く勉強する事が出来たそうです。しかし、幕府の命で趣いた欧州から帰国すると、もう徳川の時代ではありません。 

 静岡に謹慎していた慶喜公に面会すると、「これからはお前の道を行きなさい。」とお言葉を賜ったそうです。渋沢翁は明治政府の要請で大蔵省に入り、新しい国づくりに活躍します。

 ひとつずつ展示物を見ていくと「すごい!こんなに沢山の会社を作ったんだ!」と、大企業から公共事業など、その数に驚きます。

 その後、大蔵省を辞し、後の第一勧業銀行で、現在のみずほ銀行となる、第一国立銀行の頭取を務めます。多くの銀行や製紙会社、鉄道など、約五百社もの企業に関わったそうです。また、約六百もの教育機関や社会公共事業等の支援に尽くし、子爵を賜ります。公家や武家出身以外、勲功で子爵を賜るのは異例だそうで、名だたる財閥の名家でも男爵だったそうです。多くの業績を積まれたからこそですね。「この方がいたから、日本は発展して現代の社会があるのだな。」と、特に埼玉出身と言う事もあり、偉人のその業績に胸が熱くなります。

 そして明治十二年、創業に力を尽くした王子製紙の工場が眼下に広がる飛鳥山に別荘を構え、三四年からは本邸といたしました。

 その邸宅の内、現存する晩香盧と青淵文庫の二棟の建物へ。晩香廬は、渋沢翁の喜寿を祝い大正六年に建てられたそうで、丈夫な栗材を用い丹念に造りに、暖炉などが見え高原の洋館を思わせます。

 次はコンクリートの壁の目が美しい青淵文庫へ。中に入ると「これはすごい!何て素晴らしいんだろう・・・。」光を取り入れる大きなステンドグラス、美しく細工されたタイルの柱と窓と天井周りに施された装飾など、非日常的な空間で、まるで大正時代にタイムスリップしたようです。

 大正十四年、渋沢翁の八十歳のお祝いと、男爵から子爵に昇格した祝いを兼ねて建てられ、書庫や接客の間として使われたそうです。この二棟は国の重要文化財に指定されており、多くの棟が戦災で焼けたそうですが、残って本当に良かったです。

 立派な木々が生えるお庭も大きな本郷通りに面しているとは思えないほど静かで、東京であることを忘れさせてくれます。

 渋沢邸を後に、本郷通りに出て滝野川警察署の方に進むと大きな鳥居が現れ、その先に七社神社があります。

「静かで気持ちいいな!」とキレイに整った境内は静寂で凛とした雰囲気でお宮が建っています。

 以前、渋沢翁がこちらに関係があるとお聞きした事があるので、神社の奥さんに「渋沢 栄一はよくお参りされたのですか?」と尋ねると、「はい、社殿の額は直筆ですよ。」

と教えられ、再度よく拝見いたしました。「すごく綺麗な字だな。」美しい書は真っ直ぐと整い、まるできっちりとした人柄や人生が表れているようです。

 渋沢翁は自治会の名誉会員や七社神社のお祭りにも大きく関わり、町会の人々に渋沢邸を開放し、町民懇親園遊会を開催したりと、地元の西ヶ原を愛しました。「国から自治会の人まで皆を思い、優しかったのだな。」と、埼玉の偉人を誇りに思いました。

  今年は渡仏から一五〇年となります。十二月十日まで企画展【渋沢栄一、パリ万国博覧会へ行く】が開催されています。これからは冬への移ろいに、渋沢邸の木々も、七社神社の境内も静かな時が流れると思います。

 ぜひ、飛鳥山へお出かけになられてはいかがでしょうか。

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