うまし国・奈良

 いかがお過ごしですか?令和時代を迎え初めてのニューズレターも101号を迎えました。皆様に「楽しい」とお読み頂けるレターを書きたいと勤めてまいります。宜しくお願い申し上げます。

「青丹よし」青(緑)の窓に鮮やかな朱色。シルクロードの終着地とも言える春日大社。また大仏殿の大屋根や奈良の街、その遠くには大阪との堺にそびえる生駒山を望む二月堂。「ここは非日常的な癒しの空間」大きな歴史の懐に抱かれたようです。

 お水取りで有名な二月堂を拝観し、今度は巨大な釣鐘が吊るされている鐘楼から緩やかな坂を下ります。大仏殿が松の木の間から見えて何とも美しい絵のようです。坂を下りきると、左側に大きな池が涼しげに佇みます。その池も庭園のようですが、自然の樹木と池に張り出した庭木があり、古都らしい落ち着いた印象でした。池の前は大仏殿の中門と廻廊です。「回廊も門もでかいな」と、大仏の大きさに見合った建物を建てたのでしょうか、そんな事を考えながら回廊の中へ。

 大仏殿まで敷かれた敷石、四角く刈られ、正面まで直線的に延びた背の低い生垣に青々とした芝生。「伊勢の神宮と同じ西洋庭園なのかな?」と思いました。日本的に見える内宮のお庭は、低い生垣の中に芝生を配する形は、実は西洋庭園だと聞いた事があります。その均等のとれた清々しい庭が、大仏殿を一層大きく際立たせているのでしょうね。


 今から1295年前の神亀元年、凶作や大地震、干魃や飢饉それに天然痘が大流行した中、聖武天皇が 歳で即位されます。待望だった皇太子・基親王も24歳の誕生日を迎えずに薨御されました。そこで金鍾山寺を建立。これが東大寺の前身だそうです。

 仏様の力で国を守ってもらおうと、即位か19年後の天平15年10月15日に発せられた「大仏造顕の詔」を下されます。鎮護国家の話は有名ですね。平安時代にも、修繕などが行われたそうですが、今から1164年前の斉衡2年、大地震によって落下した大仏の頭部が落下し修復しますが、失火や落雷などにより焼失も多かったそうです。中でも、平家物語にもでてくる、平 重衡の南都焼討は大仏殿をはじめ、東大寺のほとんどを焼いてしまったそうです。何度も再建や修繕が繰り返されますが、特に大仏殿は木造建築として巨大で、構造上無理があったそうで、江戸時代の文化 年には、下層の屋根が下がり、それを支柱で支えたそうです。

 明治の大修理で、大屋根を支える虹粱にイギリス製の鉄骨トラスを組み込まれ、今もその大屋根を支え続けて、現代も立派で迫力のある大仏殿が見られるのですね。

 いよいよ大仏殿の中に入ると、少々薄暗いと思いましたが、はっきりと大仏様のお顔が見れます。「やっぱりでかい!」中学生の時も大きと思いましたが、今見てもものすごく大きい。国の安泰を願ったのもよく分かります。その大きさが皆の願いを、叶えてくれそうです。雄大な大仏殿を後に、松の木が神々しさを醸す参道を南大門へ向います。 

 門の中には、あの運慶・快慶が掘り上げた金剛力士像が向かい合っています。筋骨隆々で巨大な二体は84㍍あり、大凡マンションの3階弱くらいの高さだそうで、「歩き出したら怖いかも・・・」と、下らない事を考えてしまいましたこの門も南都焼討で消失し、鎌倉時代に再建されます。

 東大寺を後に、どうしてもあの阿修羅像を拝観したかったので興福寺に。数年前は拝見するのに数時間待ったそうですが、この日はすんなり。

「やっと会えた。本当に綺麗なお顔だな!」っと、鳥の顔をした迦楼羅や獣の剥製みたいな物を冠るなど、表情豊かな八部衆像の中に、阿修羅像立っています。スラっとした体型に、美しい少年のような表情で、ファンが多いのがよく分かります。

「修羅場」と言う言葉が作られる程の悪の戦闘神で、後に改心し、お釈迦様を守られたそうです。多くの阿修羅像は恐ろしい像だそうですが、その美しい表情からは戦のイメージがありません。しばらく、この天平の美少年を眺めていました。

 境内は都があった事を思わせるようで、均等のとれた美しい五重塔や東金堂が立ち並びます。藤原氏の氏寺だけあってか、高貴な雰囲気が漂います。

 工事用のシートで覆われてる巨大な建物があります。何度も焼失と再建を繰り返した中金堂だそうで、平成の再建では1309年前の創建当初の形にこだわったそうです。それから約ひと月後の 月7日、300年ぶりに落慶を迎えました。「あー、このお堂を見てみたかったな。今度はいつ来られるだろう?」陽が傾きかけた頃、鹿の歩みと同じく奈良駅まで向かいました。

 なかなか来る事ができなかった奈良。大陸の香りと日本の文化の始めがひとつにまとめらてれいるようでした。今度はもっとゆっくり訪れてみたいです。


※このニューズレターは令和元年6月1日に発行したものです。

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