こんにちは。いつもありがとうございます。台風ばかりかと思えば、急に寒さを感じますね。もうすぐ紅葉も始まります。渓谷や温泉などに、紅葉狩りなんていいですね。
米どころ魚沼の風景。普段はお米の販売等で映像や画像でしか見られませんが、実際に行くとそこは恵みをもたらす山や川、そして美しい田園が広がります。
永禄9年、織田 信長の時代に初代・西川 仁右衛門が滋賀県近江八幡で西川を創立してより、今年で創業450年を迎えました。
15代目の西川 八一行社長が「ここまであるのも、皆様のお陰です。日頃、各店のお客様にお世話になっているので、美味しいお米を送りたい」と我々チェーン店に声がかかりました。
南魚沼のコシヒカリを田植えし「感謝米」として育てるものです。
「それは良い!西川創業450年と、加納屋も創業70年。皆様に少しでも喜んでいただきたい」と、田植えをして参りました。
5月17日の早朝、日本橋より新潟の十日町までバスでのんびり向かいます。
バスでは早くから酒盛りが始まり、いつもお世話になっている茨城の久野さんという先輩に「貴史君、こっち来て飲めよ」と誘われますが、日中は飲むと頭痛が始まるので、以前より日中は飲みません。新潟に近づくにつれ、皆さん上機嫌。会話も弾んでいます。
「うっ、嫌な予感・・・」
十日町駅に着くと初夏の日差しが暑く、シャツの腕をまくるほどです。駅で待ち合わせの人を乗せ、更に20分進むと一気に田園ばかりの風景へとなります。
「あー、やっと着いた!」バスを降り、体を伸ばすと、目の前に澄んだ水が流れる水路が現れ、森の間に田圃が広がります。
さて、これからが人生初体験の田植え。農家の村武 三千雄さんに苗の植え方や、南魚沼の風土などの説明を伺います。早速長靴を履き、いよいよ田圃へ。田圃に入るのも人生初体験で「うっ、足が沈んでいくっ!」とピタッとした長靴を越えて、ジーパンまで濡れてしまうのではないかと思い、本当に焦りました。
ですが、30センチほどの底は、しっかりと固い土なので、安心いたしました。しかし、表面はぬかるんでいるので、歩くのにズボッと足を取られ、なかなか困難です。慣れようにも、全く慣れません。
そんな中、慣れない足元で田植えをしていると、先ほどのバスの中での予感が的中いたしました。
隣の人に「ビチャ」と何かが飛んできます。振り返ると、あっちこっに泥団子が飛んできます。
これは泥団子が当たらないうちにと、「ちょっとー、止めてくださいよ」と早々に田から上がります。「貴史君、もう上がるの?」と久野さん。「久野さんこそ早く田植えしなよ。」と言うと、久野さんは田圃に入って行きました。
さっき、泥団子を投げつけられた人たちが、逆襲です。私はそうそう汚れませんでしたが、面白がって久野さんめがけ投げつけると、田からも泥団子が飛んできたりと、大人気の無い事ですが、周囲は笑い声でいっぱいです。大人も童心に帰った時間です。
汚れた顔や服を見て「ホテルに行ったら早く温泉入らなきゃ」滅多に出来ない楽しかった思い出となりました。
田圃の水を触るまでは新潟は寒そうというイメージや、「美味しいお米は湧水のような冷水で育つのかな?」と勝手に思っていましたが水は温かく、想像に反していたので驚きでした。そう言えば小学生か中学生の時に学校で、寒い地方の稲作は、直接冷たい山水が入らない様に、水路を巡らし温めてから田に入れるという事を習ったのを思い出しました。
いろいろな説もあると思いますが、確かに日本では九州から稲作が始まったと伝えられているようです。そうすると、気温も水の温度も違うでしょうね。「なるほどね!」水を温めてから、田圃に入れるというのがよく解りました。
先人の、それも遥か昔の先人たちの知恵ですね。「今の生活は、その知恵の上で成り立っているのだな・・・」と、とてもありがたいです。
温かい田圃の土は、気持ちよく手に伝わります。普段自然に触れることが無いので、「あー、人間らしいって、もしかしてこんな姿なのかな?」と思いました。
田や水路、周りの森などを見ているだけでも、普段の生活を忘れさせてくれる美しい里景色に「あー、来て良かった。」と感動いたしました。
米どころとして魚沼はブランドで、美味しいお米の最高峰ですが訪れる機会はなかなか無く、南浦和にある新潟料理の「じょんのび」さんで田圃の写真を見るばかりでした。
じょんのびさんのご飯は、ママの出身地でもある魚沼のコシヒカリ100%で、特に新米の季節に食べるおにぎりがフワッと柔らかく、その香りも味も最高です。「あのおにぎりと同じお米なんだ。」と、とてもワクワクします。
村武さんが作るコシヒカリはこの地方が豪雪地である事と、清らかな雪解け水が夏も絶えることなく豊かに流れ、その水が肥沃な土地を造ります。山々に囲まれた盆地なので昼夜の寒暖の差があり、この自然環境がコシヒカリを美味しくしています。
魚沼産コシヒカリの産地は、北魚沼、中魚沼、南魚沼地区の5市2町が産地だそうです。その内の南魚沼のコシヒカリを私たちが植え、村竹さんが愛情たっぷりと育ててくれました。田植えよりも収穫まで、草取りや天候の心配など育てる方のが大変で、村武さんに感謝です。秋の実りも豊かに、南魚沼のコシヒカリ100%『感謝米』が元気いっぱいに育ちました。
初めての田植え、柔らかい泥の感触。「あぁ、本当にありがたいな」と、縄文時代より連綿と受け継がれている稲作や、それを育んでくれる山や川、陽に雨などの自然に感謝です。
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